2023.08.30   【活動レポート】

中田厚仁学校教育支援プロジェクト:第三回事業報告

 みなさん、こんにちは。インターンのひよりです!

 

 今年7月、カンボジアでは、5年に一度の総選挙が行われました。インターバンドからは、カンボジアバンドでもお馴染み、リーダーの阪口さん、ボランティアの楠谷さん、桝屋さんと、学生インターンの合計7名がカンボジアに渡り、国際選挙監視員として選挙監視活動を行いました。

 私も、本プロジェクトメンバーとしても一緒に活動している清水くん、りんかさんと共にアツスクールを訪問いたしました。今回の事業報告では、7月のアツスクール訪問についてご報告させていただきます。普段より内容盛りだくさんなので長いので心して読んでください!

 

アツスクール訪問

  アツスクールのあるコンポントム州は、中心街を離れるとたくさんの木々に囲まれ、道路の脇を牛や鶏が歩いているような長閑な田舎の風景が広がっています。この辺りに住む人々は、農作業の合間に、床下の部分にハンモックを吊るして休憩したり、人が集まったりするため、高床式のお宅が多いそうです。

 

 このような家が並ぶ道をさらに奥へ進むとアツスクールが見えてきます。

 アツスクールに到着すると、お馴染みの「アツ小学校・中学校」の文字が金色に輝く、立派な門が私たちを迎えてくれます。この門の裏には、中田さんの略歴が、日本語で記されたプレートが付けられていました。門を通ってすぐ目に入るのは、中田さん名前の頭文字「A」の形の石像です。この上に飾られている丸い置物のようなものには、アルファベットで「ATSUHITO NAKATA」と彫られています。

 さらに、門を通ってすぐ左側の小さな庭のような場所に、中田さんの写真と名前が彫られた石碑が飾られていました。私たちも、記念にそこで写真を一枚。クラウドファンディング終了から一年以上が経過し、私は、やっとここに来ることができた!という思いで胸が熱くなりました。

 

 私たちがアツスクールを訪れたこの日は、選挙の投票日前日。アツスクールも投票所となっていおり、スタッフの方々が準備を進めていたため、教室の中を覗かせていただきました。

 教室のホワイトボードの上、一番目立つところには、どの教室にも中田さんの有名な写真が飾られているそうです。また、教室の壁には、物の名前がクメール語で書かれているものや伝統的な衣装が描かれている掲示物を見つけることができます。机に目を落としてみると、子どもたちが書いたものと思われる落書きも見ることができました。

 

 アツスクールの周りを見渡すと、アツスクールをぐるりと塀とフェンスが囲んでいます。これは、校内に牛が入ってきて草を食べ尽くしてしまうのを防止するためなんだそうです。私たちがアツスクールを訪問した際には、牛が校内で草を食べている姿を見ることができました(笑)

 

 

 アツスクールは、中田さんが亡くなった地に人が集まってできた村に作られた学校です。村の人によると、中田さんはアツスクールのそばに生えていた大きな木の下に倒れているところを発見されたと言われています。その木は現在、切り倒されていましたが、その木の目の前、アツスクールの隣の駄菓子屋のような建物にいた、子どもたちとおばあさんに尋ねてみると、中田さんは、現在のアツスクールの門の前あたりに倒れているところを発見されたと教えていただきました。中田さんが倒れていたとされている場所には諸説あるようです。

 

 この後も、コンポントム州で様々な方とお話ししていると、私たちが着用していたTシャツに印刷された中田さんの顔を見て、「彼(中田さん)が活動しているのを見たことがあるよ」と声をかけてくださる方が、何人かいらっしゃいました。また、コンポントム州の中心街では、「日本人(中田さんのお父さんら)がここに来ているのを何度か見かけたことがあるよ」と教えてくださった方もいらっしゃいました。

 アツスクールの門、校内にあった石碑、教室に飾られた中田さんの写真、アツ村やこの地域に人々の話。中田さんの遺した想いは、この村の人たちに伝えられ、今も、確かにこの地に受け継がれていることを感じ取ることができました。

 

 

 選挙の前日、翌日はカンボジアでは休日となり、学校もお休みになります。そのため、子どもたちに会うことはできませんでしたが、補習授業を担当しているソフィア先生と一緒に、ホテルで朝食をとり、コンポントムの街を少し案内してもらうことになりました。

 みんなで朝食をとりながら、ソフィア先生は、

「私も、子どもたちも、日本人の皆さんに支援していただいていることを、とても嬉しく思っています。子どもたちは、日本人とコミュニケーションをとるため、日本語を勉強したいと思っているのです。」

と話してくれました。他にも、アツスクールの卒業生から、日本に留学する子が出ることを夢に見ているといった話もしてくれました。

 

インターバンドのカンボジア選挙監視団とソフィア先生

 現地では、アツスクールの生徒たちに会うことができませんでしたが、私たちが帰国するとすぐ、ソフィア先生から、テストを行ったよと連絡がありました!

 

学期末テスト実施

 アツスクールでは5月2日から新しい学期が始まりました。 しかし、子どもたちは2年に一度開催される、ASEAN sea gameというオリンピックのようなスポーツの祭典が、行われました。今年は開催地がカンボジアだったということもあり、東南アジア競技大会に夢中になっているそうです!

 さて、補習授業に関してですが、3ヶ月に一度、補習授業では基礎的な読み書きと、算数のテストが行われています。写真はその中でも成績優秀な生徒にプレゼントを渡している様子です。嬉しそうにプレゼントをもらう様子がとても可愛らしいですね!

 

 今回のテストでは、補習授業を受けている生徒の成績が大きく向上した、とソフィア先生から嬉しい報告を受けました。これからもたくさん勉強して、夢を叶えてくれたらいいなと思います。

 

それでは、次回の事業報告もお楽しみに!