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■フィリピン

フィリピン

2010年5月7日 プレスリリース
  

 インターバンドは、5月10日に投票が行われるフィリピン大統領選挙監視のために、アジアのNGOらによって構成される「自由選挙のためのアジアネットワーク(ANFREL)」のもと、選挙監視員を派遣いたしました。
 今回の選挙では、大統領、副大統領、上下院議員、自治体首長、地方議会議員が選ばれます。
 今回の選挙の争点ですが、経済政策、貧困対策などの個別の政策もそうですが、フィリピンの選挙に常につきまとう選挙に伴う暴力の問題、また初の全国レベルの電子投票の成否(このシステムの成否は、投開票のスピードだけでなく、誤作動により民意が反映されないという危険性の懸念とも関係します)が注目されています。
 したがって監視員の監視ポイントは、暴力行為への軍や警察の準備状況、選挙キャンペーンが適法に行われているかの監視、電子投票システムの周知状況や施行テストの状況監視、票の売買収などの不正行為の聞き取り調査が主なものとなっています。
 とくに電子投票については、5月4日に行われたテストでシステムの不備が発覚し、投票日延期論、手作業並行論が出ている状況です。明日7日には各地で最終テストが行われる予定で、監視員もテストを監視します。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100506-00000008-nna-int

 ANFRELフィリピン選挙監視には14カ国から41名が参加し、日本からはインターバンドから3人が監視に参加します。今回の監視員は以下の構成です。

    小峯茂嗣(インターバンド代表、大阪大学助教) ミンダナオ島ダバオ市派遣
    宮下大夢(インターバンド選挙監視員) ヴィサヤ諸島マスバテ州派遣
    菅原雄一(インターバンド選挙監視員) ルソン島北イロコス州派遣


 また阿部和美(インターバンド理事)は、マニラにてANFRELの本部業務に従事。
 理事の小川秀樹(岡山大学教授)、前代表の首藤信彦(衆議院議員)はANFRELとは別に10日の投票日の監視をマニラにて行う予定。
 今回のフィリピン選挙は、86年の民主化以降、民主選挙が平和裏に行われるかについての一つの契機であると共に、今年行われる予定のミャンマー選挙、また政治情勢が流動化するタイで浮上した解散総選挙とあわせて、インターバンドとしては注視しています。

小峯茂嗣
特定非営利活動法人 インターバンド

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2010年5月9日 プレスリリース
 投票を明日に控えた今日は、Cooling Dayと言って、選挙活動は行わないことになっています。他には酒の販売も禁止されています(投票日とその前日)。
 私の監視地域のダバオ市内は平和裏に準備が進んでおり、人々の様子も平穏です。にぎやかな選挙イベント(候補者の話のほかに音楽演奏などもあり、地域の人には一種のお祭り)やラリー(自動車が連なるパレード)も見られました。
 しかし地域によっては不穏な情報も入ります。特にミンダナオ島は分離独立を目指す武装組織の活動が活発ですが、むしろ昨年秋以降は選挙関連の殺人が問題となってきました。直近では、5月5日にダバオ州北部のMonkayoで、市長(Mayor)と護衛が誘拐される事件が発生しました(現地紙Sun Star 5月6日)。現地ニュースでも、地域によっては武装組織による選挙妨害の動きがあることが報じられていました。
 平和裏に選挙を終えるために、フィリピン選挙管理委員会(COMELEC)、軍、警察が連携し、対処しようとしています(Joint Security Coordination)。
ミンダナオ島西部のコタバトからダバオに車で移動する際には、道路上に約10ヶ所の検問が設置されていました。
 前回報告した電子投票装置の再テストですが、8日と9日に監視したところ、ほぼ成功(操作の間違いはいくつかあった)で、マークシートの読み取りは、監視の限りではミスはありませんでした。9日の朝刊にも、テストが成功裏に終わったことが大きく報じられていました。ただ投票日の課題は、読み取った情報の送信です。この電子投票装置は、各地の投票所で読み取られた記録を衛星を通じてサーバーに集約し、集計することになっています。この送信がうまくいくかというのも、注目されています。
 電子投票装置のテストは投票所で行われたのですが、フィリピンでは投票所(小学校など)の壁に選挙人名簿があります。多くの人々が自分の名前を確かめにやってきていました。今回、初めて選挙に投票する若い女性の話を聞きましたが、大統領1名、副大統領1名、上院議員は12名・・・と、どのポストに自分が投票するのかきちんと知っていました。初めての選挙は「Exciting!」とのことでした。
 ダバオでは刑務所の投票も監視予定です。刑務所の囚人も有権者登録がされており、刑務所内の投票所で投票することになっています。
 いよいよ明日は投票日です。ANFRELに参加するアジアの監視員たちは、フィリピン各地で早朝から深夜まで監視活動を行います。

  

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