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■2002年東ティモール大統領選挙

東ティモール大統領選挙監視に参加して

清松幸生(NTT西日本大分支店ビジネスユーザー営業部勤務)

東ティモールの初代大統領を選ぶ選挙が4月14日(日)に行われた。99年の住民投票時にIFETの選挙監視員として参加したが、充分な活動が出来ないままの帰国であった為、今回の選挙監視にインターバンドの選挙監視メンバーとして参加させてもらった。

まるで仕事から逃げるような慌しさで6日朝、日本を発った。その日の深夜、バリのKENDIMASホテルにメンバーが待っていた。初めて会う阪口さんら6名が到着の遅い私を、以前からの知り合いのような雰囲気で出迎えてくれた。簡単な自己紹介を済ませると、翌朝の出発に備えて就寝、長い空の旅だった。7日朝、早めに空港へ移動、チケットの都合で旅なれた阪口さんを置いて5人のメンバーで機上の人となる。約2時間も飛ぶと東ティモールが見え始めた。ディリ市内が目に入ると3年前の住民投票の事が脳裏によみがえってきた。あの当時、死の危険と隣り合わせでディリの地に立っていた日本人や現地の多くの人に出会った。あの人たちに、一人でもいいから再会したいと思った。ディリのコモロ空港に降り立つと、インターバンド現地事務局の安藤さんが出迎えてくれた。宿舎となったマレーシア人の経営するインペリアルレストランのゲストハウスに入る。メニューに日本食が多い事に驚く。ここまで来て日本食にありつけるのはうれしいが、ややありがた迷惑だねと、メンバーの顔がほころぶ。近くのスーパーに行くとアジアの製品に混じり日本製の食品も豊富に並んで、ほんとに、ここが東ティモールかと、その変貌ぶりに驚く。ただし、ディリで開業しているビジネスの大多数が海外資本と聞いて、この国の厳しい現実を感じた。独立後、国連景気から援助景気に変わろうとする中、インドネシアにとってかわった各国の資本の下で、この国の人が豊かになれる保証はまだ無い。

8日午前、UNDPに選挙監視のツールを受け取りに行く。マリーという白人が親切に対応してくれた。UNDPは今回、日本人が選挙監視に多く参加していることを感謝していた。午後、コモロ空港へ後発のメンバーを迎えに行く。同室の古村さんら4名が加わり、マタエル教会の隣で開かれたシャナナの選挙キャンペーンを監視に行く。市民に熱烈に支持されるシャナナの姿が目に入った時、胸にこみ上げるものがあった。

9日、午後、IECのブリーフィングに参加、EUの監視メンバー30人は別の場所で独自に行うらしく不参加、EUはUNTAET本部の横に事務所を置いて、高く掲げたEU旗がその存在をアピールしたがっているようだった。会場で大阪東ティモール協会の文珠さんに再会した。彼は3年前に行動を共にした命の恩人だ。大阪弁が懐かしかった。夜、インターバンドの監視メンバー13人が揃う。コバリマ県のスアイで選挙監視するチームに決まる。

10日にスアイ行きの買出しを済ませ、11日、朝9時に2台の4WDで出発、メンバーは安藤、玉木、折居、伊藤、清松の5名、8時間かけてティモール島の北から南へ横断、車の高度計が1700メートルを指す。12時、モビシで休憩する。一軒しかないレストラン(食堂が正しい?)で大仲さんという日本人女性の国連ボランティアに会う。彼女はスアイの関係者の間でも評判が良かった。こんな山奥でも日本人がいい仕事をしてることに、同じ日本人として誇りに感じた。17時、スアイに到着、NGOが使ってたという事務所兼住宅に落ち着く。電気が来てないので蝋燭の明かりで事務所開きをする。周囲の状況が判らないので、念の為、折居さんと3時まで寝ずの番をして就寝。

12日、13日とポーリングセンターの場所確認と準備状況を確認に廻る。スアイビラ、ダイスなど中心部から北東にかけてマナカッサ、ベコ1、ベコ2、そしてズマライなどの地域を担当する。地元の選挙スタッフをトレーニングするDEO(国連選挙管理者)と面談しながら状況をチェックする。投票所でもPKFの兵士が居すわる小学校があったり、校庭がぬかるんで、とても近寄りがたい投票所があったりした。

14日の投票当日、あらかじめ決めたルートに沿ってポーリングセンターを監視する。さすがに朝に訪問した場所は時間前から列が出来ていたが、午後入ると何処も投票を終えて手持ちぶたさの様であった。何処も東ティモール人の選挙監視員が配置されて、お互い、名などの確認をする。この次からは自分たちでやれると聞かされ、この大統領選挙が最後の選挙監視となると感じた。マナカッサでは投票箱が一つ完全に蓋が出来てなく、玉木さんが質問する形で指導したが、大きな問題も無く、15日の開票まで無事に終わったようだった。スアイでは5日間の活動であったが、車で移動する私たちに友人のように手を振ってくれた沿道の人々を忘れることは出来ない。東ティモールは一度訪問すると再度行きたくなる国でした。

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